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安全機器
2026.05.29

PFDavgとは?

「必要なときに安全機能が働かない確率」を表す重要な指標

SIL (安全度水準)」を調べていると、PFDavg (平均危険側故障確率) という言葉を見かけることがあります。

PFDavg とは、「必要なときに、安全機能が働かない確率」を表す値です。

そして、数値が小さいほど、安全性が高い、という特徴があります。

PFDavg は何のための数値?

工場の機械には、人を危険から守るための「安全機能」があります。

たとえば、

などの安全機器が使われています。
これらは、危険が起きたときに正しく動作することで、人を守っています。

しかし、どんな機器でも、故障がゼロになることはありません。
もし安全機能が故障していたら、

  • 非常停止を押しても止まらない
  • 扉を開けても機械が停止しない

といった危険な状態になる可能性があります。

そこで考えなければならないのが、「安全機能は、どれくらい信頼できるのか?」という点です。
その信頼性を数値で表したものの1つが、PFDavg です。

PFDavg の意味を簡単に言うと?

PFDavg は英語で、the average Probability of Failure on Demand の略です。
日本語では、平均危険側故障確率と呼ばれます。

かなり難しそうな名前ですが、大事なのは、
「必要なタイミングで安全機能が失敗する確率」だと理解することです。

「必要なときに働かない」とは?

たとえば、非常停止ボタンを想像してみましょう。

黄色と黒の縞模様の台の上に赤いボタンのある非常停止ボタン

普段は何も起きていないため、非常停止ボタンは使われません。

しかし、

  • 人が危険エリアに入った
  • 機械が暴走した
  • 異常が発生した

といった緊急時には、確実に機械を停止させる必要があります。

ところが、その瞬間に故障していたらどうなるでしょうか。

  • ボタンを押しても停止しない
  • 信号が伝わらない
  • 出力が切れない

という危険な状態になる可能性があります。
つまり PFDavg とは、「いざという時に失敗する可能性」を表しているのです。

数値が小さいほど安全

PFDavg は、「失敗する確率」を表します。

そのため、

  • 数値が小さい失敗しにくい安全
  • 数値が大きい 失敗しやすい危険

という関係になります。
たとえば、

  • PFDavg = 0.1
  • PFDavg = 0.001

なら、0.001のほうが安全性は高いと言えます。

これは、「安全機能が失敗する可能性が低い」からです。

SIL と PFDavg の関係

SIL では、安全装置や安全システムが「どれくらい安全か」を段階的に分類します。

そこで使われる重要な数値の1つが、PFDavg です。
SIL が高くなるほど、より小さい PFDavg が求められます。

つまり、

  • SIL1 より SIL2
  • SIL2 より SIL3

の方が、「安全機能が失敗しにくい」ことを意味しています。

なぜ「平均」という言葉が付くの?

PFDavg には、「avg (average)」という言葉が入っています。
これは、「ある期間の平均的な失敗確率」を意味しています。

安全機器は、定期点検や定期テストを行いながら使われます。
たとえば、

  • 半年ごと
  • 1年ごと

に点検を実施するとします。

点検直後は正常でも、時間が経つと故障している可能性は少しずつ増えていきます。
PFDavg は、「前回の点検から、次の点検までの間における平均的な危険側故障確率」を表しています。

PFDavg は「ゼロ」にはならない

ここで重要なのは、

どんな安全機器でも、故障確率をゼロにはできない

という点です。

どれだけ高性能な安全機器でも、

  • 部品の劣化
  • 配線トラブル
  • 接点不良
  • 電子部品の故障

などは起こり得ます。

そのため SIL の世界では、「故障しない機械」ではなく、
「故障確率を十分小さくする」という考え方をします。

PFDavg は、その考え方を数値化したものと言えます。

MTTFd との違いは?

PL (Performance Level) に触れたことのある人は、

PFDavg って、MTTFd と似たようなもの?」
と感じるかもしれません。

確かに、どちらも安全性に関係する数値です。

しかし、意味は異なります。

  • MTTFd は「危険側故障が起きるまでの平均時間」
  • PFDavg は「必要なときに安全機能が働かない確率」

を表します。

つまり、

  • MTTFd → どれくらい壊れにくいか
  • PFDavg → 必要な時に失敗しにくいか

という違いがあります。

まずは「失敗する確率」だと理解すればOK

PFDavg という言葉は難しく見えますが、
まずは「必要なときに安全機能が働かない確率」と理解できれば十分です。

そして、

数値が小さいほど安全

という点を押さえておけば、SIL の理解がかなり進みます。

今後 SIL をさらに学んでいくと、SFF (安全側故障率)、HFT (ハードウェア故障許容度) などの言葉も出てきます。

しかし、その中心には常に、「安全機能は、本当に必要なときに働くのか?」という考え方があります。

PFDavg は、その考え方を表す代表的な指標の1つなのです。

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