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湿度センサの話

1.湿度とは?

湿度センサの歴史は古く、毛髪湿度計の発明までさかのぼります。現在は、毛髪湿度計や乾湿球湿度計の簡易型が一般家庭で利用されています。 また、棒状の湿度計を熱電対やサーミスタに置換して、電子化したものが多数工業分野で利用されています。 湿度は大気中の水蒸気量を表す指標であり、湿球温度(℃)・相対温度(%RH)・露天温度(℃)・水蒸気含有量(容積比または重量比)の4種の基本表示のいずれかで表されます。

湿度表示法
パラメータ 定義 単位
湿球温度 一定風速下で湿球温度計が平衡に達する最低温度
相対湿度
パーセント
ある温度での気体中の水蒸気圧(水蒸気の分圧)とその気体と同じ温度の飽和水蒸気圧との比を100分率で表します %RH
露点と霜点
露点:気体中の水蒸気の分圧が飽和水蒸気圧に等しい温度
霜点:露点が0℃以下のときの温度
容積比と重量比
容積比:水蒸気の分圧と乾燥キャリアガス分圧の比
重量比:容積の場合と同様であるが、キャリアガスの分子量によって変化する
ppmV
ppmW

2.センサ

湿度センサは、雰囲気の湿分の吸脱着による電気的性質の変化を主として利用しています。そのため、センサは常に大気の雰囲気に露出されます。センサは、大気中の成分と諸材料との間による変化を受けやすく、性能の劣化を及ぼす場合もあります。 湿度センサは空調関係の温度制御に利用されるだけでなく、家電製品を中心に湿度センサによる制御が進められています。 よく知られたものに、乾湿球式・毛髪式・水晶振動式・高分子系センサや金属酸化物センサなどがあります。(下図参照) その中でも、高分子系・金属酸化物は電子回路との相性の良い小型センサです。

湿度測定法の種類と特徴

湿度測定法の種類と特徴 湿度測定法の種類と特徴 湿度測定法の種類と特徴
a.高分子膜湿度センサ
コンデンサの原理

高分子膜湿度センサは、高分子膜の水分の吸収・放出に伴う誘電率変化から雰囲気の相対湿度を測定します。基本的には、右図のようなコンデンサを作れば湿度センサとなり、高分子膜の誘電率変化はコンデンサの容量変化として測定されます。電極は極めて薄い金属の蒸着膜であり、電極を通して高分子膜は水分を吸収・放出します。高分子膜湿度センサには、容量タイプのものと抵抗タイプのものがあります。

種類 特徴
静電容量型 セルロース系の親水性高分子を乾湿材料が、吸着する水分の量に応じて静電容量が変化する性質を利用しています。特徴は、測定範囲が広く(0~100%RH)、応答速度が速く、相対湿度に対して直線的な出力が得られます。
抵抗型 第4級アンモニウム塩やスルホン酸基をベースとした乾湿球材料が、吸湿することにより抵抗が減少する性質を利用しています。
抵抗型湿度センサの場合、構造が簡単で、大量生産でき、比較的安価であります。また、出力は直線的ですが、指数に対しての直線性なので分解能は静電容量に比べて悪くなっています。特に、低湿度領域の測定は困難です。
b.セラミック湿度センサ

乾湿材がセラミック焼結体で構成されていて、水蒸気の吸着しやすい多孔質セラミックが用いられています。水分子がセラミックの成分と焼結し、イオンが作られることにより電気伝導が発生すると考えられています。セラミック湿度センサの最適な応用例として、電子レンジがあります。食品は、多かれ少なかれ水分を含んでいます。電子レンジで加熱することにより、食品から水分が蒸発します。この水蒸気を検出し、食品の調理制御を行います。セラミックセンサは、小型・高感度・広い動作範囲・非常に早い応答速度などの特徴があります。しかも、加熱クリーニングができるなど今後の湿度センサの主流となっています。

c.電解質湿度センサ

湿度センサとして、最も古いものが塩化リチウムを利用するものです。このセンサの応答速度は、低湿から高湿気体中に入れたときは数分後に安定しますが、逆に高湿側から低湿側にすると、その2倍程度の時間がかかります。このタイプのセンサは過去から最も広く利用されています。その例としては、実験研究・空調・農業・気象・電気機器・食品・印刷・医学など、多方面に及んでいます。もうひとつの応用例としては、露点センサがあります。このセンサの原理は、水蒸気圧が塩化リチウムの存在下で減少します。

3.参考資料

湿度測定や使用目的に合った湿度センサを選ぶ際などにお役立て下さい。

湿度・水分センサの種類と概要


名 称
(感温材料)
動作湿度

温度範囲
主な特徴 主な用途






セラミック湿度センサ
(MgCr2O4-TiO2系セラミックス)
1~100%RH
1~150℃
・自己加熱クリーニング
・使用範囲が広い
電子レンジやオーブンレンジの食品調理制御や各種空調制御など
セラミック感湿素子
(TiO2-V2O5系セラミックス)
15~100%RH
0~150℃
同上 集塵装置排ガス、各種乾燥システムなど
セラミック湿度センサ
(ZnCr2O4-LiZnVO4)
30~90%RH
0~50℃
・常温常湿中で連続測定 民生用空調システム
薄膜絶対湿度センサ
(Al2O3薄膜)
1~2000ppm
25℃
・微量水分の検出 ICパッケージ内の非破壊湿分検出、湿度計測器



樹脂分散形結露センサ
(吸湿性樹脂カーボン分散形)
94~100%RH
-10~60℃
・スイッチ特性
・直流駆動
VTRの結露防止
高分子湿度センサ
(導電性高分子)
30~90%RH
0~50℃
・広範囲な湿度検知 湿度計測器
毛髪湿度センサ
(毛髪あるいはナイロンリボン)
20~80%RH
-10~40℃
・直接、電流のON-OFF 業務用空調の加湿制御など



塩化リチウム湿度センサ
(LiCl植物繊維含湿系)
20~90%RH
0~60℃
・精度が高い 湿度計測器
露点センサ
(LiCl飽和塩)
-30~100℃ ・汚れに強い 露点計



熱伝導式湿度センサ
(サーミスタ)
0~100%RH
10~40℃
・絶対湿度が検出できる 湿度計測器
マイクロ波水分センサ
(誘電体基板)
0.3~70%
0~35℃
・測定範囲が広い 穀物、木材、紙などの水分検出
アスマン通風乾湿球湿度計
(ガーゼ)
5~100%RH
5~65℃
・保守すれば安定性が良い 湿度計測器

各種湿度センサの制御範囲


各種湿度センサの制御範囲


参考文献

  • ・㈱日本実業出版社 「図解でわかる センサーのはなし」 谷腰欣司 著
  • ・㈱培風館 「センサハンドブック」 片岡照英・柴田幸男・高橋清・山崎弘郎 著
  • ・㈱千代田平出版社 「センサデバイスハンドブック」 センサ技術者編集部 編
  • ・㈱三省堂 「物理小事典 第3版」 三省堂編集所 
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