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安全機器に関する参考資料 リスクアセスメントについて

リスクアセスメント(リスク査定)とは.....

機械は様々な危険を有しており、設計の段階で機械の安全性を検討する場合、
機械自身が持つ危険の内容を事前に把握しておく必要があります。
このように危険の度合いを把握する事を「リスク査定」と言います。
下図は安全性の決定、つまりリスクアセスメントのプロセスを表したもので、
三角形の面積はリスクの大きさを示しています。


リスク低減の目標

リスクアセスメントの手順

機械類のリスクアセスメントは下図の手順で実施されます。
実施した事によって、削減しなければならない残留リスクがあると判明した場合は、安全対策を実行しなければなりません。
この手順を繰り返すことによって、可能な限り危険を除去しかつ安全防護を実現するための反復処理が行えます。

リスク低減の為のステップ リスクの評価 リスクの見積り 危険源の同定 機械の制限の決定

機械の制限の決定

機械の制限に関する仕様は3つの制限から決定されます。

  • ①使用上の制限:機械の意図する使用などからの決定
  • ②スペース上の制限:運動範囲、機械の据え付けに対するスペース上などから決定
  • ③時間的制限:機械の意図する使用及び工具類、消耗部分、
    電気的部分などを考慮に入れて予見可能な機械の寿命上の制限からの決定
  • 上記を考慮した上で、機械の制限の決定を行います。
    そのためには以下の5項目について考慮する必要があります。

    • ①機械類の寿命に関する
    • ②意図する使用を含む機械類の制限
    • ③性別、年齢、利き手又は身体的能力の限界によって特定される人の予見可能な機械の全使用範囲。
    • ④予見可能な使用者の訓練、経験または能力の予想
      • ・オペレータ
      • ・見習および初心者
      • ・一般大衆
      • ⑤合理的に予見可能な場合、機械類に付随する危険源に第3者が暴露される事。
        • 危険源の同定

          機械の全ての危険な状況および危険事象を明確化する作業のことです。
          危険な状況や危険事象の例は下記に示す通りです。

          危険源の例(ISO12100より)
          機械的危険源
          (以下の障害発生の根源)
          電気的危険源
          (感電、やけど、火災などの根源)
          押しつぶし
          せん断(挟まれ)
          切り傷・切断
          巻き込まれ
          引き込む・捕捉
          衝撃
          突き刺され・突き通し
          こすれ・擦りむき
          高圧流体噴出
          充電部(加圧部分)への直接接触
          絶縁不良等による間接接触
          高圧領域への接近
          予見可能な使用条件下の不適切な絶縁
          帯電部への接触による静電気放電
          溶融物放出による熱放射
          短絡・過負荷等による化学的影響
          感電による人又は道具などの落下
          発熱

          リスクの見積り

          上記の危険の同定を実施した後、「危険の起こりうる程度」と「その確立」つまり、どのくらい危険なのかを見積ります。
          機械の様々なリスクに対する見積りによって、安全対策に対するカテゴリーが選択されます。

          ※きちんと表示されない場合はこちらからお願いいたします。

          安全カテゴリ
          カテゴリ 要求事項の概要 システム
          維持能力
          安全性を満たすための原則
          B ◆制御システムの安全関連部品や保護装置およびそれらの構成部品などは、予想される動作時の圧力や処理剤の影響、その他機械振動や停電などが起きても耐えられるように、関連規格に従って設計・構成・選択・組立がされること。 ・故障の発生は安全機能の喪失をもたらす。 ・主に構成部品の選択による。
          1 ◆カテゴリB及び下記の事項が適用されます。
          ◆カテゴリ1の制御システムの安全関連部品は、実績のある部品および安全原則を用いて、設計・構成されること。
          ・故障の発生は安全機能の喪失をもたらすが、故障発生の可能性はカテゴリーBより低い。
          2 ◆カテゴリBに対する要求事項と実績ある安全原則の使用及び下記の事項が適用されます。
          ◆カテゴリー2の制御システムの安全関連部品は、安全機能が適切な間隔で点検されるように設計すること。
          ・故障の発生は点検と点検の間において、安全機能の喪失をもたらすことがある。
          ・安全機能の喪失は点検により検出される。
          ・主に構造による。
          3 ◆カテゴリBに対する要求事項と実績ある安全原則の使用及び下記の事項が適用されます。
          ◆カテゴリ3の制御システムの安全関連部品は、単一故障で安全の喪失をもたらさないよう設計すること。
          ・単一故障が発生した際も、安全機能は常に機能する。
          ・全てではないが、故障は検出される。
          ・検出されない故障の蓄積は安全機能の喪失をもたらすことがある。
          4 ◆カテゴリBに対する要求事項と実績ある安全原則の使用及び下記の事項が適用されます。
          ◆カテゴリ4の制御システムの安全関連部品は、単一故障で安全の喪失をもたらさないよう設計すること。
          ・故障が発生した際でも安全機能は機能している。
          ・故障は安全機能の喪失を予防するために適時検出される。

          リスクの評価

          リスクの見積りの結果を評価し、リスクの低減が必要か否かを判断します。
          リスク低減の目標を達成している場合や、リスク比較の結果で良い結論が出たならば、機械が安全であるとの確信が得られます。
          リスクの評価の判定基準は、
          ①リスク低減目標の達成、②類似機械類のリスクとの比較をもってなされます。
          また、最後に実行した手順及びその結果を論証するために文書化も要求されています。

          リスク低減

          ISO12100における安全方策を示すと、下記図の1~4の4通りになります。

          • 1.設計によるリスクの低減
            機械自体の設計段階で安全性を確保するために採られる処置で、ガードや安全装置等の
            安全対策で外部から補っていない状態の安全方策です。「本質安全設計」とも呼ばれます。
          • 2.安全防護
            人を保護するための防護柵(ガード)または防護柵と安全装置を用いた安全対策で、
            設計によるリスクの低減で十分に安全性を確保できない時の安全対策です。
          • 3.追加予防策
            上記2つの安全方策ではリスク回避が不足する場合の安全方策です。
          • 4.使用上の情報
            機械使用時の機械起動または速度超過などの危険表示・警報装置や安全に使用するための表示、
            標識等、およびリスクアセスメントの結果、いまだ残留するリスクについてユーザーに
            提供するための付属文書(取扱説明書)とともに、警告、表示等の通知を行うことです。
用語説明
機械類(機械)
連結された部分または構成部分の組み合わせで、そのうちの少なくとも1つは適切な機械アクチュエータ、制御および回路などを備えて動くものであって、特に材料の加工、処理、移動、梱包といった特定の用途に合うように結合されたもの。
安全
リスクが許容可能な範囲内抑えられていること。
リスク(risk)
傷害および健康傷害の発生確率とそのひどさの組み合わせ。
リスク分析(risk analysis)
利用可能な情報を用いて、危険源を同定することおよびリスクを見積もること。
リスクアセスメント(risk assessment)
リスク分析およびリスクの評価の全てのプロセス。
機械の”意図する使用”
製造者が提供した情報に基づく機械の使用。
または機械の設計、製作および機能に基づき一般的であると見なされる使用。
合理的に予見可能な誤使用
製造者が意図しない方法での機械の使用。
容易に予測しうる人間の挙動から生じる。



参考文献

  • ・ISO「機械安全」国際規格  (社)日本機械工業連合会編  日刊工業新聞社
  • ・機械安全の国際規格とCEマーキング  丸山弘志   日本規格協会
  • ・機械設計   日刊工業新聞社
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